イオンという存在

庄内地方で「サンジャ」と呼ばれる場所があります。さて、どこでしょうか。

「サンジャ」とは「イオンモール三川(みかわ)」のことです。正確には、「イオン三川店を核店舗に、ファッション、飲食、サービスなどの専門店で構成されたショッピングモール」。

それがなぜ「サンジャ」と呼ばれているかと言うと…。昔、できた当時、そこは「ジャスコ三川店」でした。「三川(みかわ)にあるジャスコ」が縮められて「三(さん)ジャ」⇒「サンジャ」と呼ばれるようになったのだとか。この「サンジャ」、いまや近隣の一大レジャーランド化しています。「お出かけするスポット」、「ハレの場」となっています。

百貨店の業績不振を尻目に、郊外型のGMS(General Merchandise Store:総合スーパー)が大人気。なかでもとりわけ元気なのが、この「イオン」です。

イオンの隆盛っぷりが如実にわかる記事を3つ取り上げます。

■イオン、「名実ともにNO1」へ大胆改革 首都圏食品スーパー連合とイオン、ダイエー店舗再編
(2014年6月6日 Jcastニュース)
http://www.j-cast.com/2014/06/06206818.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

■地方都市は「ほどほどパラダイス」になった!
地方の若者におけるイオンモールの存在感 ショッピングモール愛が止まらない
(2014年07月27日 東洋経済オンライン)
http://toyokeizai.net/articles/-/43668

■イオン女子がやって来た 大学生、モールで満足
(2014年6月8日 日本経済新聞 ブームの予感~日経MJ)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO72071570R30C14A5H11A00/


でもなぁ…と思います。ふと、考えてしまいます。

いくらイオンが行け行けどんどん!状態だからと言って、日本の郊外風景が全てイオン一色になってしまうのもいかがなものか、などと思ったりもするのです。どこに行っても同じような風景だと、つまらなくありませんか?

地方都市の中心部は人口空洞化する⇒中心部で商業が衰退する⇒郊外(特に国道沿いなど)にイオンができる⇒自動車でみなイオンに向かう⇒イオン周辺で住宅開発が行われる⇒地方都市の中心部はますます人口空洞化する⇒イオン周辺が衛星都市化する⇒「自動車でアクセスのいい衛生都市で消費するというライフスタイル」が定着する⇒中心部の商業がますます衰退する⇒(イオンの進出する勢い・存在感・存在価値が高まる、加速する)

といった流れが出来上がっているように思えます。

「イオンのある郊外」「イオンのある暮らし・ライフスタイル」が風景化・常態化する中(この流れもいつまでも続くとは思えませんが)、今後、どのようにマーケットが動いていくのか興味のあるところです。


★マーケティングの視点★
よく聴く愚痴ですが、かつて賑やかだった商業中心部(中心的役割を果たした商店街)の“シャッター通り商店街化”は、なにも「イオンのせい」ではないと思うのです。衰退の一因ではあるでしょうが、「イオンができたから“シャッター通り商店街化”した!腹立つ!」というのは、ダメな考えだと思うのです。

人口動態の変化、人々のライフスタイルの変化が根底にありますし、原因はイオン進出だけにあるのではありません。

GMSにできて、商店街にできないことがあります。反対に、GMSには無理だけど、商店街にしかできないこともあるはずです。GMSと同じスタイル、同じ土俵に立って戦う必要などないということに気づき、意識を変え、発想を変え、生活者と対峙して行くことが大切だと思います。

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コメント: 1
  • #1

    あっ (水曜日, 24 9月 2014 21:55)

    イオンが何処に行っても同じ店なのは
    それなりのブランドがイオンに出店すると
    ブランドの価値が変わるとかがあるのではないかと。
    百貨店に買い物に行くお客とイオンに行くお客とでは
    買い物資金が違うと思う。