消滅する地方都市、膨れ上がる三大都市。

「少子高齢化・人口減少社会が来るぞ(来ているぞ)!」と言われても、ピンとこない人も多いと思いますが、「あなたの生まれ故郷が消えてなくなるかもよ!」と言われたらどうだろう。

そんな風に感じるショッキングな発表がありました。今年5月のことです。

有識者らでつくる政策発信組織「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会の予測によれば、人口移動が収束しないケースでは、2040年時点で、約1,800自治体のうち、523自治体は「消滅可能性」が高い。収束するケースでは、243自治体が「消滅可能性」が高いとのことなのです。つまり、896自治体が「消滅の可能性がある」と。

ちなみに、2010年から30年間での20~39歳の女性人口の予想減少率@山形県

鶴岡市 52.5
酒田市 57.5 ⇒わが故郷・酒田は半減以上という推計…
新庄市 51.5
上山市 61.3
村山市 54.2
天童市 51.3
尾花沢市 68.4
南陽市 51.1
中山町 54.5
河北町 50.4
西川町 61.6
朝日町 64.9
大江町 56.9
大石田町 67.6
金山町 64.8
最上町 69.3
舟形町 61.7
真室川町 59.3
大蔵村 77.0
鮭川村 78.1
戸沢村 73.5
川西町 64.7
小国町 53.6
白鷹町 57.5
飯豊町 60.2
三川町 52.8
庄内町 57.7
遊佐町 68.9


地方都市消滅。その主原因こそが、若年女性の減少、人口の三大都市への流出と、そのことにより、地方の人口が急減していくためです。地方都市が消滅しかけている一方で、東京・名古屋・大阪の人口は膨れ上がっているのです。

このような大都市圏への「人口移動」イコール、若年層の流出により、地方は「人口再生産力」を喪失しています。特に、東京への人口の一極集中は、日本特有の現象だそうで…。

この「大都市圏への人口移動」は、日本の少子化にも、「地方自治体の消滅」とも強い因果関係があります。東京への若者の流入が増えれば、人口減少のスピードはさらに加速すると予測されています。

若年層だけではありません。今後、地方の高齢者も急速に減少し、その一方で、東京は「超高齢化」により、医療・介護労働ニーズが拡大するでしょう。つまり、雇用が増えます。すると、ますます若者が東京に流出する可能性が高くなります。

 

人口減などは避けることができない現実です。ですが、このような負の循環を、どこかで断ち切らないといけません。知恵と勇気が必要です。



★マーケティングの視点★
少子化で高齢化で人口減少で若年女性が減少し人口が三大都市へ集中し続ける傾向にある日本。住宅においては、すでに大幅に余剰状態で、このまま行けば30年後には空き家率が43パーセントになるとの予測も出ています(野村総研)。実に2件に1件が空き家という時代がやってくるのです。人口が減り、空き家が増える。これだけ聴くと、漫画「AKIRA」のような荒廃した状況が簡単に目に浮かびます。期せずして「AKIRA」の舞台は2020年東京オリンピックを翌年に控えたネオ東京。2020年は東京都が過去最大の人口規模、1335万人になる年と予測されている年。翌年からは減少が始まっていき、2050年には1175万人になると予測されています。どうなっているのでしょうか、ネオ東京。