お寺さんの価値

「教会」に集まる人たちがいます。

みんなで「教会」に集まるのが宗教(信仰)のひとつになっている外国では、みんなで教会に集まって何かコミュニティ活動をするという文化があります。

「教会」。そこが集会所であって、みんなで会話をする場所であって、なにがしかのコトが起こる場所であるという。

日本の場合は「お寺」に該当します。

 

昔のお寺、特に、勢力を強め、政治に口を出すようになった平安時代以降、日本のお寺は仏教の拠点というだけではなく、「文化センター」「教育機関」「コミュニティセンター」「金融機関」「マスコミ」と言った機能を兼務していました。


「文化センター」
=水墨画・書院造・茶の湯・生け花など、仏教に影響された作品が生まれた

「教育機関」
=僧侶は知識層であり、インテリ。武将たちの子息は寺で読み書きなど教養を学んだ。(中世までは武将たちの教育機関だったお寺。江戸時代になると庶民の教育機関としての役割も担うようになる)

「コミュニティセンター」
=周辺住民の集まる拠点としても機能していた

「金融機関」
=所領(地主・領主が私有する財産としての土地)からの収入や供養料などを元手に金融業に進出

「マスコミ」
=時の政府をもビビらせるほどの勢力・権力・批判力・情報流布力(伝播力)を持っていた


江戸時代になり、徳川家康が寺院諸法度を制定し、寺社奉行を置き、仏教を取り締まってからは勢力は弱まったものの、以前として「地域の(コミュニケーション)拠点」としての機能は十二分に果たしてきた。

でも、昨今は、そういった機能をあまり果たしていないように思えます。

教会の機能、教会文化に、今の日本が、これからの日本が参考にできる点は多いのではないでしょうか。

単なる公共の場、地域の縁側・集会所・精神的拠り所というだけではなく、「お寺の活性化・生き残り」というだけではなく、より、大局的視野に立って、しっかりとした利益の確保できる(決して寺社のみの利益重視ではなく)ビジネスモデルを組む。その中心には「お寺」。

「お寺」を中心に据えた新しいマーケティング戦略を組むという時代に来ていると思います。

お寺をより、地域コミュニティの基地・主体にする。と、ビジネスチャンスも生まれる。

地域の大人も子供も、法事に関係なく、お盆の時期以外にも日常的に集まってくる場所にすればいい。もう一度、すればいい。

できると思います。

地域のあらゆるステークホルダーが、それぞれの課題・悩みを抱えていることがわかっている今こそ、「お寺さんの価値」を再確認・再定義し、「お寺」を中心に据えた新しいマーケティング戦略を組むべきだと思うのです。

★マーケティングの視点★

公共性や社会性、「良いこと」という美しさ、きれいゴトはもちろん大切。でも、それだけではなく、お寺さんも儲かる・お寺さんも喜ぶ、地域住民も喜ぶ、地域自体も潤う・喜ぶという、「三方よし」の視点がとても大切だと思うのです。